断食の窓の中で運動する — 証拠が支持していること
2つの主張が出回っていて、どちらにも証拠があります。だから議論が終わりません。空腹で運動したほうが代謝の適応が良い。食べてから運動したほうがパフォーマンスが良い。基準を満たす46件を集めたレビューの結論は、どちらもおおむね正しいでした。運動前に食べるほうが空腹時よりパフォーマンスは上がり、空腹時の運動は末梢の組織で適応を促すと論じられてきた、と。
引き分けに聞こえます。でも「その練習は何のためか」を先に聞けば、これは判断の基準になります。
練習を仕分ける
- 数字が意味を持つ練習(レース、高重量、タイムトライアル、自分を試す日)は食べてから。レビューのうちパフォーマンス側は、より一貫している半分です。
- 何も測らない軽い有酸素は空腹でやってかまいません。失うものがありません。
- 筋トレは「食べてから」側ですが、理由が違います。その1回の練習というより、前後の総たんぱく質と総カロリーが問題で、そこが次の2つの試験の話になります。
窓の中の筋トレは、食べる量が足りていれば成立する
16時間断食の窓の中に筋トレを入れて測った試験が2つあります。
筋トレ経験のある男性の8週間では、対照群に比べて脂肪量が減り、除脂肪量・腕と太ももの筋断面積・最大筋力は維持されました。筋トレをしている女性の8週間では、たんぱく質を体重1kgあたり約1.6g/日にそろえたところ、全群で除脂肪量が増え、筋力も向上し、断食群と対照群に差はありませんでした。
どちらも「窓がトレーニングを鈍らせた」とは出ていません。共通していたのは、十分なたんぱく質と、本物のトレーニング刺激があったこと。 それが条件で、仕事をしているのはそこです。
実際の組み方
窓が13時〜21時で夜に運動するなら、話は簡単です。食べた状態で動き、あとで食べます。
16時間断食の窓のまま朝に運動するなら、意図と関係なく空腹時の運動になっています。軽い練習ならそれで構いません。きつい練習ではパフォーマンスの代償があり、レビューはその向きについてははっきりしています。選択肢は2つ、どちらも特別なことではありません。窓を早い時間にずらして運動前に開けるか、きつい練習を食べたあとの時間に移して、朝には軽いものを残すか。
証拠が支持していないのは、「空腹だからこそ」きつい練習を空腹でやるという考え方です。その負荷自体が刺激になる、という話はレビューのどこにもありません。パフォーマンスの代償に見合う見返りがある、とは書かれていません。
限界
46件のレビューはプロトコル・期間・対象がばらばらで、レビューという形式は食い違いをならしてしまいます。2つのトレーニング試験は、すでに鍛えている成人の8週間です。競技期のアスリート・まったくの初心者・数年単位の話については、どれも何も言っていません。