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断食で筋肉は落ちるのか — 3つの試験が出した、2通りの答え

心配するのはもっともです。16時間も食べないなら、体はどこかから材料を持ってくるはずで、その「どこか」として真っ先に浮かぶのが筋肉です。試験の答えははっきりしていますが、それは3つの試験が同じことを聞いていたわけではないと気づいてからの話です。

断食+筋トレ:除脂肪量は保たれた

筋トレ経験のある男性34人を、16時間断食(食事は13時・16時・20時の3回)と普段どおりの食べ方に分け、どちらも8週間トレーニングを続けました。断食群では対照群に比べて脂肪量が減りました。そして除脂肪量・腕と太ももの筋断面積・最大筋力は、どちらの群でも維持されました。

筋トレをしている女性を対象にした試験でも同じでした。8週間の管理下のトレーニングで、たんぱく質を体重1kgあたり約1.6gにそろえたところ、断食群も対照群も除脂肪量が開始時より2〜3%増え、筋力も全群で向上し、群間に差はありませんでした。結論は「時間制限は筋トレの効果を鈍らせなかった」です。

2つの試験、男女それぞれ、同じ結果です。トレーニングをして、たんぱく質を足りるだけ食べていれば、窓は筋肉を奪わなかった。

断食だけ:除脂肪量は減った

次が、心配されるべき試験です。トレーニングを指示しなかった成人116人の12週間の研究では、12時〜20時に食べた群の体重は減りましたが、減った分のかなりの部分が脂肪ではなく除脂肪量でした。 これが「断食は筋肉を食う」として繰り返される話の出どころです。

3つを並べて読むと、これは断食の話ではありません。筋肉への刺激が無いまま体重を落とせば、どんな食べ方でも除脂肪量が減ります。 普通のカロリー制限でも同じです。トレーニングをした2つの試験が示したのは、その刺激は窓の中でもちゃんと効く、ということです。

実際にどうするか

見なかったことにすべきでない結果

男性の試験では、8週間で断食群のテストステロンとIGF-1(成長に関わるホルモン)がどちらも有意に低下しました。筋力と筋断面積は落ちていないのに、です。これは実際に出た結果で、明らかに良い話ではありません。8週間では筋肉の減少にはつながりませんでしたし、何年も追いかけた人はいません。「断食に代償はない」と言う人は、同じ論文を読んでいません。

わかっていないこと

3つの試験はいずれも8〜12週間で、対象は筋トレ経験者か、体重が多めの成人でした。高齢の人が減量する場合・ハードな練習期のアスリート・数年単位の影響については、どれも何も言っていません。証拠が途切れるところで、主張も止めるべきです。

関連:16時間断食の試験が体重について示したこと断食で代謝は上がらない話

出典

  1. 10.1186/s12967-016-1044-0
  2. 10.1093/ajcn/nqz126
  3. 10.1001/jamainternmed.2020.4153